居場所をください。
貴也side
「はい、じゃあ今日はこれまで。
お疲れさまでしたー。」
「お疲れさまです。」
「あー、疲れた。」
隣では将大がイスにどかっと座っている。
「貴也~、また風呂行かねー?」
「行かねぇ。」
「つれねーなぁ。
汗流したいじゃん?」
「帰って風呂入れよ。
しかもお前仕事じゃねーの?」
「そうだけどさー。」
「なら行けよ。
俺もう帰るし。」
「え、迎えもう来たのかよ。」
「まぁな。
俺のマネージャーは優秀なんだよ。
じゃーな。」
美鈴、なんか用あったっぽいし。
眠いしさっさと帰りたい。
「貴也くん!」
「あ?
……またあんたかよ。」
ドアを開けてエレベーターに向かうと
また吉田夏音が俺を止めた。
「なんか用?」
「あの、またご飯に行かない?」
「………昨日行ったじゃん。
またなんかあるわけ?」