居場所をください。

貴也side




「お前さ、なんで美鈴の部屋知ってんの?」


「来たことあるからに決まってんじゃん。

泊まったこともな。」


「……は?」


「なに、疑ってんの?

……そんな怖い顔で見られても。

彼女を1年も放置してたのはそっちだろ。

変な虫がつくとは思わなかったわけ?

あんないい女なのに。」


「……なにもしてねーだろうな?」


「さぁ?

自分の女くらい、信じてやれよ。」


……美鈴のやつ、俺がいない間に

何人の男と知り合ってんだよ。


「でもまさかあの松野貴也が

一人の女のこととなるとそんな顔になるなんてな。」


「笑ってんじゃねーよ。

つまみ出されてーのかよ。」


「そっちこそ居候の身だろ。」


「美鈴はそうは思ってない。」


「あっそ。

ま、どうでもいいけど。」



< 2,971 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop