居場所をください。

長曽我部side



『プルルル…プルルル…プルルル…プルルル…プルルル………』


貴也のやつ出ねーし。

風呂か?


『プルルル…プルルル…

はい。』


お、やっと出た。


「随分出るのがおせーな。」


『いや、俺もそんな

いつも暇な訳じゃないんで』


まぁそりゃそうだ。

ごもっとも。


『それよりなにか用事ですか?』


「あぁ、

美鈴はもう帰ったか?」


『え?あぁ、はい。さっき。

代わります?』


「いや、いい。

それだけ。」


『は?え、それだけですか?

しかもなんで俺になんですか?』


「あー、いや別に。

じゃあ切るな。」


『はぁ、わかりました。

おやすみなさい。』


………まぁ確かに意味不明な電話だけど。

なんとなく、美鈴に避けられた気がした。


本当に情けねーけど

いつも俺についてくる美鈴だから

たったあれだけのことで

けっこうへこむ。


前に貴也に言われたな。

美鈴のこととなると弱すぎるって。

美鈴と出会ってもう2年以上たったのに

俺はなかなか成長しない。



< 3,458 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop