居場所をください。
長曽我部side
***
……いや、俺らだけ置いてくなよ…
めちゃくちゃ気まずいじゃねーかよ。
お前らいつからそんな仲良くなったんだよ。
「…じゃあ、私はそろそろ帰ろっかな。」
「え?」
「行きたいんでしょ?」
そういう里美に、
俺はなんて返せば良いのかわかんなくて
黙るしかなかった。
「……さっき、弘希が言った通りだよ。
血の繋がった妹を守れない人が
家族なんて作れないもんね。
…ひかると出会った頃はひかるは学生で
自由で、ひかるは私だけだった。
あの時私はもう20代なのに子供でさ
そういうのが嬉しかったんだよね。
だけどひかるが大学を出たあとは
仕事ばっかりしててさ
本当はそういうの支えなきゃいけないのに
私はどんどんひねくれてったの。
仕事が忙しいのに、それに加えて妹探し。
………もっと構って欲しかったの。
私だけが大人になれずにいたの。
どんだけわがまま言ったって、
ひかるは離れていかない自信があったんだ。
私の方が年上なのに、甘えてた。
ごめんね。」
「…………いや、俺もだよ。
俺も里美に甘えてただけなんだよな。
俺が荒れてたとき、
俺をしっかり見ててくれたのは
里美だけだったんだよな。
だから勝手に勘違いしてたのかも。
里美ならわかってくれるって。
………でもさ、離婚が決まって
俺じゃダメだったんだな~って気づいて。
再会して、会えば会うだけまた
昔に戻ったように惹かれてって
話し合って再婚が決まっても
また俺のせいで破談になったらって
俺、ぜんっぜん自分の意見言えなくなってた。」
ちゃんと話さないと
わからないことっていっぱいあるもんな。
目を合わせて、会話して…