居場所をください。

自分で立ち上がるしかないんだ。




***


「━━ん~、よく寝たぁ…」


ちょっとだけ長めの眠りから目覚めた私は

思いっきり伸びをして、体を起こした。


「本当にな。」


「あれ、亜樹じゃん。

学校は?」


「もう終わったわ。

人のベッド使って寝てんじゃねーよ。」


「だって亜樹の匂い好きなんだもん。」


「気持ち悪いこといってんなよ。

さっさと帰れよ。」


「だって帰れないんだから仕方ないじゃん。」


「知るかよ。

だからってうちに来んなよ。

もっと言えば俺の部屋を占領してんなよ。」


「おばさんはいいっていったもん。」


「ここは俺の部屋だっつーの。」


「はいはい、どけばいいんでしょ。

…………ん?」


あれ?

私キーケースこんなとこに置いたっけ…?

置いてないよね?

置く必要ないもんね?

…………なんだ?


「亜樹、私のバッグ触った?」


「触るわけねーだろ。」


「だよねぇ…」


しかもキーケースだけここにって。

…………まぁいいや。しまっとこ。


「お腹すいたぁ…」


「………人んち来といて

よくもまぁそんな欲丸出しにするよな。」


「睡眠も食も我慢できないからね。

ほら、もう18時だしご飯の時間だ。

行こ。」


「うちは父さんが帰ってきてからだけど。」


「えぇ!?

おじさんって何時に帰ってくるの!?」


「さぁ?」


さぁって…私と一緒に打ち合わせの時なんか

22時ちかいときあるよ…?



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