居場所をください。
あなたの腕の中。
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あれ…なにか揺られてる…?
なんだろ……暖かくて…すごく心地いい…
「よっ、と…」
わっ、急に冷たい……
前に感じていた温もりがなくなったと思うと
今度は背中にひんやりとしたものが触れて
その温もりがどこかにいってしまう気がして
この冷たいところだけに置いていかれるのが嫌で
私は必死に、手を伸ばした。
「…起こしたか?」
「……ん…?」
…あれ、私…寝てた?
ここは…私の家、寝室か……
そして私の手は
長曽我部さんのコートを掴んでいた。
「…長曽我部さん…
あれ、私……」
「あんま寝れてなかったんだろ?
今日ずっと眠そうだった。」
「…ソファで寝ちゃった?」
「寝心地よかったろ。」
……そっか、私が眠そうだったから
長曽我部さん、ソファを用意したのか……
ずいぶん雰囲気にあってないと思ったら…
「……長曽我部さんがおんぶで
ここまで運んでくれたの?」
「そうだよ。
貴也もいるよ。」
「そっか」