居場所をください。

あなたの腕の中。




━━━━━━━━━━━━━━・・・・


あれ…なにか揺られてる…?

なんだろ……暖かくて…すごく心地いい…


「よっ、と…」


わっ、急に冷たい……


前に感じていた温もりがなくなったと思うと

今度は背中にひんやりとしたものが触れて

その温もりがどこかにいってしまう気がして

この冷たいところだけに置いていかれるのが嫌で

私は必死に、手を伸ばした。


「…起こしたか?」


「……ん…?」


…あれ、私…寝てた?

ここは…私の家、寝室か……


そして私の手は

長曽我部さんのコートを掴んでいた。


「…長曽我部さん…

あれ、私……」


「あんま寝れてなかったんだろ?

今日ずっと眠そうだった。」


「…ソファで寝ちゃった?」


「寝心地よかったろ。」


……そっか、私が眠そうだったから

長曽我部さん、ソファを用意したのか……

ずいぶん雰囲気にあってないと思ったら…


「……長曽我部さんがおんぶで

ここまで運んでくれたの?」


「そうだよ。

貴也もいるよ。」


「そっか」



< 4,359 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop