居場所をください。
佐藤浩明編
美鈴ちゃんの結婚式も終わり、美鈴ちゃんの体調も落ち着いた今日の頃ごろ……
「よっこらせ。」
「ごめんね、突然来ちゃって。」
「大丈夫ですよー。仕事ですもんね。」
美鈴ちゃんの希望で早めからライブの準備が始まった。
こんなにお腹を大きくしてんのに。
「これね、今確認とれてるメンバーとか」
「あぁ、うん。
長曽我部さんからほどんど変化なしって聞いた~。」
「ダンサー、バンドは全員キープしてるし、裏方がちょいちょい変わるくらいだけど美鈴ちゃんには関係ないかも。
あ、そうだ。
佐々木にアシスタントついたから、次からはスタイリストが一人増えるよ~。
23歳、女の子ね。」
「んー、と
ベビーシッター?雇うんだね?」
「あぁ、うん。
だって赤ちゃん困るでしょ。
そこは長曽我部さんが直々に頼みに行くって。」
「へぇ、そうなんだ。
じゃあ候補がいるんだ~。」
にしても、仕事熱心だねぇ。
書類に目を通す早さがすげぇ。
「ん、そうだ。
ライブの構成書いたから長曽我部さんに持ってって~。」
「え、うん。いいけど紙なんだね?」
「紙は自由だからね。
私はいつも紙だよ。長曽我部さんがデータにしてくれてるの。
これ、私はできないからまだまだ長曽我部さんにはいてもらわなきゃ困るよ。」
……相変わらず相思相愛だしな。