居場所をください。
番外編-2
ある日の美鈴のブログ--貴也side
桜咲き誇るこの季節、数多くの出会いと別れがあるこの
季節。
終わりは悲しいものではなく、始まりのための輝かしいものである
なんて、美鈴の歌詞でもあって
そんな終わりが寂しくないようにまでなった、俺ももう23歳。…来月で24だけど…改めて年取ったなって思うわ。
そしてこの春、この会社でも終わりを迎えたものと、新しい生活を迎えたものがいる。
「これからもこの会社のため、ここに所属するすべてのタレントのため、全力で努めていきますので、__」
そう、今日は長曽我部さんの社長就任式だ。
……ま、別にその式典は社員が出るものであって、俺らが出るものではないんだけど…
「もうあれから5年かぁ」
…今日も絶好調に長曽我部さんにべったりな美鈴に連れられ、せっかくの休みに会社にいる俺ら。
せっかく休みが揃ったってのに…
「・・・そろそろ行かねぇ?
瑠樹の式で着る服買いに行くんだろ?
子供達の迎えだってあるし…」
「……仕方ない、行くか」
来月、瑠樹の結婚式が控えている。
もちろん俺も美鈴も、ついでに長曽我部さんも出席するのに、俺もスーツを持ってなく、美鈴も持ってるドレスがどれもこれもがハデ……というか、ライブで使ったものしかなくて長曽我部さんから「新しいのを買ってこい!!」と怒られて今日買いにいくはめに。
そもそも美鈴のドレスっていっつもミニ丈。式典には向かないよな。