居場所をください。
二人の気持ち。



そして翌日ー


私が昨日言ったことが響いたのか

施設出身が前向きな噂へと変化した。

私はそれにひと安心だ。


そして仕事を終えた私は

これから長曽我部さんと買い物だ。


とりあえず……


『プルルルル…プルルルル…


はい、野いちご園です。』


「あ、ママ?美鈴。」


『あら、どうしたの?』


「私のことでママにも迷惑かけたかなって…。」


『それどころかボランティアさんが来たわ。

寄付もね。』


「え、本当?」


『本当よ。だからありがと。』


「私のおかげかはわからないけどね?

それでね、私がいなくなってから

人数増減した?」


『そうね、18歳の二人が卒園したわ。』


「それだけ?」


『ええ。』


「そう、わかった。ありがと。」


『美鈴、ごめんね。藍子が…。』


「ううん、いいよ。

内緒にしてたわけじゃないからさ。

私はママに育ててもらったこと

誇りに思ってるからね。」


『ありがと。』


「それじゃまたそっちいくから。」


『うん、じゃーまたね。』


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