居場所をください。
貴也side
「なんでまた二人で出掛けてくれるの?
付き合ってるふり、やめたんじゃなかったの?」
「……………そうだな。」
俺は美鈴に拒絶されてから赤堀と会うようになった。
美鈴の好きな人なんて俺か隼也のどっちかだって
俺も隼也も気づいていたしな。
あいつのまわりにいる男…。
長曽我部さんは兄貴だったし
高橋とかいうやつは美鈴の友達と付き合ってて
朔也ってやつは前に振った。
なら残ってるのは俺と隼也しかいねーじゃん。
あいつが一目惚れとかありえないだろうし。
俺を拒否したなら必然的に隼也、ってことだよな。
告って、そのあと隼也が呼び出されて
ってことはもうそういうことだよな。
俺の入るところはない、か……………。
「どうしたの?ボーッとして。」
「え?……………いや。」
「あれ、大谷くんじゃない?」
「は?」
赤堀の目線の先には隼也と………美鈴。
やっぱうまくいったんだな。
あー、泣きそう。
「はは。」
「え、なに笑ってるの?」
「いや、別になんでもない。
気にすんなよ。」
自分がむなしくなって
なんとなく笑えてきた。