御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

今日の今日ですか？！

「ダメなの？」
鈴城君は驚く私を見て怪訝そうな目で見る。

「ダメっていうか・・・・ちょ・・ちょっと待っててください」

私はバッグから手帳を取り出し

今日の日付を見るとそこには黒い字で『仏滅』と･･･

「あ･･･あの･･･今日は仏滅みたいなんで、できれば大安の明日がいいかなって･･･
思うんですけど･･･」

いくらなんでも今日の今日は早すぎる。

心の準備というものがある。

だが鈴城君には通用しない様で

「別に好きでもない男と結婚するのに大安も仏滅もないんじゃないの？」

これが鈴城君？と疑うほどその声は低く冷ややかだった。

私は何も言い返せず手帳をバッグの中にしまった。

「君がどうしても明日がいいっていうなら･･･明日でもいいよ。とりえず気持ちが変わらないうち
に書いてくれるとありがたいんだけど･･･」

鈴城君は婚姻届けを指さしながらトントンとテーブルを叩いた。

まるで口車に乗せられて高級化粧品購入の

契約書を書かされる様な気分だ。

「はいはい･･･わかりましたよ。私はなんとなくそう思っただけで･･･」

ここまで露骨に事務的な態度を取られたら開き直るしかなかった

「じゃ～よろしく～」

鈴城君は私の目の前に差し出した婚姻届の上にボールペンを置くと

早く書けと言わんばかりの笑顔？！を向けた


・・・・・はいはい早く書けって事ね。
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