男装少女争・奪・戦 ~男子校とか無理だから!!~ 【完】
プロローグ
「お母さん、それ本気で言ってる?」

私は自分の耳を疑った。

白羽学園

そこに入学したというだけで箔がつく。

そんな名門お金持ち高校は



男子校。

「何言ってんの。私、女だよ」

「分かってるわ。
でも、光也があの高校に受かると思う?」

私は双子の兄に視線を移す。

バリッバリのパツキンヤンキー。

偏差値は確か……35くらい

……うん。

「不可能でしょ」

「だからよ。
沙耶香なら光也に瓜二つだし……」

お母さん……

何でそこで私の胸を見るの……?

いや、ぺったんこだけど?

「いけるわ」

「高校って三年あるんだよ」

「成長期は終わってるから大丈夫よ」

胸、このまま一生膨らまないってことですか。

いろいろひどいんですがお母さん。

「お願い。
高校の三年だけだから『男の子』で過ごして。
じゃないと…………縁切るわよ」

満面の笑みで言い切った。

……脅しだね。

お母さん、とうとう脅迫か。

実の娘を脅すってどうなんだろう。

犯罪じゃない?

でも、お母さんめっちゃ本気っぽいんだが。

私はもう、頷くことしか出来なかった。



……そういえば白羽学園は、全寮制……

だった気がする。

やっばいまっずい。

入試、失敗しちゃおうかな……

「言い忘れてたけど
入試失敗しても縁切るから」

…………

私の今の心境

ここに犯罪者がいる!

と大声で叫びたい

母の日には六法全書を送りましょう……
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