恋の後味はとびきり甘く
7. 彼と似合うのは
 翌日の火曜日、夕方五時半過ぎに咲恵さんがモン・トレゾーにやってきた。今から帰宅するらしく、薄手のコートにストールを巻いてショルダーバッグを提げている。

「こんにちは。突然なんだけどね、チョコレートと紅茶のコラボをやってみたいな、と思ったんだけど、どうかな?」

 入って来るなり咲恵さんが言った。私はチョコレートの箱を包装していた手を止めて問う。

「チョコレートと紅茶のコラボ、ですか?」
「うん。チョコレートってコーヒーやウィスキーだけじゃなく、紅茶とも相性がいいと思うのよね。それで、うちとモン・トレゾーでコラボした商品を期間限定で置いたらどうかなって。お互いの宣伝にもよさそうでしょう?」

 咲恵さんの言葉を聞いて、チョコ好きの血が沸き立ってくるのを感じた。

「ステキですね! ビターとかミルクとか、チョコレートの種類別でコラボさせたら、お客様にもいろいろ楽しんでもらえそう!」

 チョコレートだって紅茶だっていろんな香りや味のものがある。合うものを探すだけでも楽しそうだ。
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