キミに恋の残業を命ずる
「まさかとは思うけど、この再確認のためだけに呼びだしたとは思ってないよね?」

「え?ちがうんですか…?」


ふふふと課長はまた楽しげに笑った。


「こんなことを頼むためだけに、わざわざ呼び出したりなんかしないよ。大事な回答がまだだったから、さ」


不安が芽生えてきておそるおそる見上げると、課長は意味深な微笑を浮かべた。


「昨晩の答え、まだ聞いてなかったよね。キミの手料理をごちそうしてくれる?って話」

「え…っ、それは…てっきりからかってると…」


わたしを困らせて楽しんでいるだけかと思ったんだけど…。


「からかう?そんなわけないでしょ?俺はすっごい本気だったよ」


まっすぐに見つめられて、顔が熱くなるのを感じながら、わたしはしどろもどろに返した。
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