キミに恋の残業を命ずる

2

見慣れない部屋で目を覚ました。

頭が痛い…重たくてぼーっとする。…そうこれは、お酒を飲んだ後の症状に似ている。


お酒…!?


とっさに飛び起きた。



ここ、どこ?

わたし…なにして…。



見回した見慣れない部屋は、ホテルの部屋ともちがっていた。

眩しい朝日が差し込んだベージュのカーテンやモノトーンのスタイリッシュな家具からして、男の人の部屋っぽい―――


そこで、昨晩の記憶を取り戻した。


わたし、課長と飲んでいて…。



するとここは、課長の寝室!?



掛布団を引っ剥がした。

ふ、服は着てる…昨日のままだ。

じゃあなにも無かった…のかな…?


ああもう、男の人の部屋で酔いつぶれるなんて、おばあちゃんが知ったらきっと倒れちゃうよ。



コンコン



ノックがしたかと思うと、ドアがそっと開いた。


「やぁ、お目覚めかな」


姿を現したのは、課長だった。
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