恋するサクラ
そして2週間後
 




 それから2週間。

 はっきり言って、あのイケメンさんの事はすっかり忘れてた(ウソ)。

 今日はイラストの資料集めのために、家の近所の図書館で本を物色。

 少し高いところにある、あの本が気になる。

 周りに図書館員さんはいない。

 ふみ台は、……小学生が椅子代わりにして座っている。オイオイ。

 もうこうなったら自力で……と手を伸ばすと、後ろに人の気配。

 手を伸ばした先にある本を、スッと取る大きな手。

「どうぞ」

 私の目の前に、その本を差し出した。

 ……この声は

 パッと顔をあげると、その人の後ろ姿は曲がって消えた。

 追いかけても、もういなかったけど、絶対にあの時のイケメンさんだった。

 ……また、お礼を言い損ねた。

 ……ていうか、これも少女マンガの王道な展開。

 なんなの?
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