my sweet love 〜extra〜


それから30分おきに様子を見にいって
悠の熱が下がり始めたのは
明け方だった


それまで一度も目を覚まさず
悠が目を覚ましたのは朝の5時だった



俺が悠の部屋を見に行き
熱を測って下がり始めて
8度2分を示した体温計に
安堵のため息をこぼした時
曇った声が聞こえてきた



「…と……も、」


「悠!わかるか?」


「ぅ、ん…」


「吐きそうか?気分は?」
そう聞きながら悠の体を起こして
酸素マスクを外すと
悠は再び嘔吐をはじめた




しかし3度ほど吐き出し
ゆっくり呼吸を促すと落ち着き始め
気分も落ち着いたみたいだ


「よかった…少し休もう
横にするよ。マスクもつけるね」


「ご、めん…ね」


「ん?」


「なん、…ども」


「悠全部覚えてる?」


「つら…かったけど、…」


「そっか…たくさん辛い思いさせたね
熱も少しは下がり始めたから
これで少しは楽になれると思うよ
ただ脱水と栄養不足がひどいから
入院少し長引くと思うよ」



「ん…」


「ゆっくり休んで。
すぐにナースコール押していいからね」



俺のその言葉で
悠は全身の力を抜くように
眠りについた



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