狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

タイムリミットを過ぎて…Ⅱ

「姫様!」


パタパタとこちらに向かってきたひとりの女官が慌てたように声をかけてきた。


「どうしたの?」


何かあったのでは…とアオイも彼女に駆け寄る。

それもそのはず、彼女は昨夜キュリオから逃れるために手助けしてくれたよく知る女官だったからだ。


「大変ですわ!…キュリオ様が姫様のお部屋にっ!!」


「…えっ!?」


「こちらの品々は手筈通りに致しますので、姫様は何食わぬ顔でお部屋にお戻りくださいませっっ!!」


「う、うん…っ!!」


アオイは彼女にいくつもの小箱を渡すと礼を言いながら自室に向かった。


「……」


(なんて言おう…この奥お父様が…っ…)


自分の部屋にも関わらず入るのをためらうアオイ。


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