その結婚、ちょっと待った!
やっぱり好きです




あれから時間だけが過ぎてとうとう、明日は大和と真尋の結婚式となった。


昨日は明日の結婚式の話で盛り上がっていた。


周りの皆は社員旅行の日の大和の突然の結婚の発表を聞いて、私を一瞬見たとたんにどうなってるの?って顔をしていてそれ以上は何も言ってこなかった。


多分、聞いてはいけないと思ったのかもしれない。


でも結婚式が近づくと、真尋にウェディングドレスはどんなのを着るのとか色々と質問攻めで、私はその会話に入る事はなかった…と言うか出来なかった。


気持ちの切り替えをするつもりが出来なくて、結婚式前日の今日も二人を祝福出来るのか自信がない。


手紙だって上手く読めるかも分からない。


こんな気持ちのままじゃいけないと分かってるのに、二人を笑って祝福してあげたいと思ってるのに…。


そんな事を思っているとお母さんから電話が掛かって来た。


「もしもし?」


(桃華?元気してる?)


「うん、元気だよ!」


(明日は桃華の誕生日ね!もう二十五歳になるのね…桃華が生まれた時の事を昨日のように思い出すわ…うっ)


「ちょ、ちょっとお母さん!?急に泣くなんてどうしたのよ?」


(ちょっとお父さんに代わるわね…)


「えっ?」


どうしたんだろ急に…
明日が誕生日だからって泣くなんて。


(桃華か?元気か?)


「げ、元気だよ!」


(父さんも母さんも桃華の幸せを祈ってるからな…うっ)


「えっ!?ちょ、何で二人とも泣いてるの?
幸せっていきなり何?」


(ちょっとお父さん代わって!
あっ、お姉ちゃん?二人の事は気にしなくていいからね?何か小さい時のお姉ちゃんの写真見て懐かしくなって泣いちゃったのよ!
年をとると涙脆くなるでしょ?
それから明日の誕生日、お姉ちゃんにとって素敵な誕生日になれるといいね?
じゃあまたね!)


そう言って電話は切れてしまった。


家族揃って何だか意味がわからないよ。





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