白い月
なんでとか
どうしてより先に
言葉が先にでる。

「嫌だ」
「はやっ!少しは考えろよ」
「………わり。ところでなんで?」
「あいつに聞きたいことあるんだけど。あんま話したことねーし」
「それで俺なのか……。」

ため息をつきつつ言うと、後ろに気配を感じて振り返る。

そこには、真琴の姿。

「中崎君、佐々木君。話してるとこ悪いんだけど」

中崎は俺の名字。佐々木は聡史の名字だ。

「あ、何?」
「五組の坂添君が中崎君を呼んでる」
「あ、本当だ。ありがとな」
「別に、気にしなくていいよ」

席に戻ろうとした真琴を聡史が呼び止める。

「篠塚!頼みがある」
「………何?」

困ったように聡史は笑う。
そして、真琴の近くに行き小さな声で何かを言う。

「え?」
「…………駄目、か?」

真琴の表情は蔭っている。

「あ、あのさ」
「後で聞く。悪い」
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