ゴミ少女【短編ホラー】
2.読者モデル・スカウト
「モデルに興味はないですか?」



原宿の竹下通りを少し入った裏路地で、

今日も、1人の少女に声をかけた。



中学の制服に身を包み、背筋がスッと伸びた細身の体は、

幼女のあどけなさを残しつつ女の丸みを帯び始め、独特の色香を匂わせる…



少し膨らんだ胸元まであるサラサラの黒髪を、なびかせながら、

彼女は俺の顔をジッと見つめた。


地味なスーツにネクタイをしめ、真面目そうな眼鏡をかける俺は、

モデル事務所のスカウトマンでなくても、

市役所勤務と言っても信じるだろう。



ニセの名刺を差し出すと、長く美しい指で受け取った。


「○○○事務所のスカウトの人なんですか?

久保…さんは」


「Pチレモンや、niコラの雑誌読者モデルの、

オーデションに出場する女の子を探してるんですが、

出てみる気はないですか?」


「あの…、読者モデルは、一般公募で選ぶって本には、書いてあるんですけど…」


疑いながらも、質問をしてくる。


「そうですね…。表向きは、そうなんですよ…」


隠された真実がありそうなそぶりで、

彼女の興味をそそる。



「もし、うちのモデル事務所に来てくれるんでしたら…、

裏事情をお話ししてもいいんですが…」
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