私と彼をつなぐもの。
ごみ男。
「はぁー。まただ。あのごみ男っ!!」

仕事を終えて、くたくたになって帰って来て、一番に目についたのは、マンションの前のごみ置き場に置かれた可燃ごみの袋。

袋は可燃だけど、透けて見える中身はペットボトル、ビニールなどなど。これって燃えるごみ?と思うものまでパンパンに詰められている。


別に私はごみ業者でも管理人でもないし、これは個人のマナーの問題で私には関係ない。


はずなんだけど。



「……っていうか可燃の日は明後日だっつーの!!」



そうキレながらゴミ袋に青色のネットをかける。
私がこんなにも怒るのは、私がこのごみ置き場の隣の1階の部屋に住んでいるからだ。
いくら壁があったとしても、ネットもかけずにゴミ袋を置かれたら、カラスや野良猫の被害にあってしまう。
それがもう!すごい嫌っ!迷惑っ!!

それでもこの国際空港に近いマンションに住んでいるのは、私が空港で働いているからだ。
朝は5時から出勤の時もあれば、夜は終電の時もある。
だから必然的に空港の近くに住んでいないとやっていけないのだ。


このマンションは、1~3階までが賃貸。それより上の階は分譲になっている。エントランスなどは別々だけど、このごみ置き場だけは共有なのだ。
分譲の方はごみの日に管理人が集めてくれるけど、自分で出したい人はここに持ってくる。




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