私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

志季の暴走


 週末の日曜日。午後3時をもうすぐ迎えるころ。

 元時計屋の志季のたまり場の前に集まる少年少女。みんな同じ黒いジャージを着ている。

「そろそろ行こうぜ」

「そだね」

 夏の言葉にみんなそれぞれ準備は万全。

 ノンタンと大貴は今日はチラシ係だから駅のロータリーにいる。他にも何人かいるけどね。

 ここに居るのは店番のメンバーとチラシ配りのメンバーを除いた15人。瞬と六花は店番だからどこかのお店でこき使われてるかな?

 おっきな台車の引くところに夏と2人で入る。

 その後ろから2人が押す。もう1個の台車も同じようになってる。

「それじゃあ、暴走開始!」

「おぉ!!」

 ひまっちこと日真里(ひまり)が暴走の合図であるほら貝を吹く。ひまっちは面倒見がいいんだ。

 なぜほら貝かって?時代劇大好きなとーちゃんがなぜか持ってたから。
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