太陽みたいな人でした。
悪魔降臨
私の学校には甘いマスクを被った悪魔がいる。
学校に来る度、本当にそう思う。
職員室の前には女子の群れ。
その真ん中にいるのが悪魔の岩淵先生である。
顔はまあ悪くない。
性格も良さそうに見える。
でも、私は知っているあの人の裏の顔を…。

先日、友達のミキが岩淵先生に人間関係の事で相談をすることになっていた。
ミキは小さくて可愛い。
それに人のことを思いやることが出来てすごくいい子。
でも、少し…いやかなり心配性でどんなときでも『ごめんね…』。
そんな彼女を面倒臭い、重いと思う子も少なくなく人間関係が上手くいっていないそうなのだ。
私や他の友達のアドバイスだけでは満足出来なかったのか急遽先生のお世話になる事になった。
待つこと30分程で相談が終わったミキはすっきりした顔で出てきた。
「待たせちゃってごめんね!」
「全然気にしてないよ。どーだった?」
私は周りの人より人に関心がないためかミキの『ごめんね』はどうでもよく思える。
「すっごいすっきりした!それよりも亜子って岩淵先生のこと好きなの??」
え…この子は何言ってるのかしら?
突然すぎてあんぐりしていると
「なんかね、相談が終わって多少雑談してたんだ。その時に岩淵先生が亜子からのメールがうざい。亜子さんって俺のこと好きなの?って。でも、好きならあたしに言ってくれ無いわけないよね?それにメールって?」
…………。
「別に好きとかそんなのないよ。メールだって皆アドレス知ってるし、入学したばっかで分かんないことだらけだったからしてただけだよ。ほんとにそんなこと言ってたの?」
……………。
「うん!誰にも言ったらダメだよって言われた!」
あ、なるほど。
「他の子達の事もいっぱい言ってた!!」
ふーん。そっか。なぁるほどね。
「そっか!教えてくれてありがと^^」
岩淵先生=ナルシストの性格ひねくれたアホ。

こうして天使のあまーいマスクは剥がれ落ち、
私には悪魔にしか見えなくなった。
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