太陽みたいな人でした。
ひとすじの光
「…さっきの夢じゃないよね。」
あまりにもいつもと変わらなさすぎて逆に怖い。
先生だから?
それとも私に好かれていようが好かれていなかろうがどうでもいいから?
「さっきのって?」
「いや。何でもないよ。」
ほんとはさっきの出来事を一部始終ミキに話したい。
あのイラつく笑顔も。
何事も無かったような素振りも。
でもほんとなら『誰にも言ったらダメなこと』らしいからミキにすら言えない。
いや、ミキだから言えない。
「ならいいんだけど私がなんかしちゃって悩んでるならごめんね。」
「大丈夫だよ。ミキの事で悩むなんて滅多に無いから^^」
「え、それひどい。」
ははは、とは笑うもののバレていないかと思うと心臓の音が大きくなった気がした。
「それよりもさ、今日私の家でお泊まりしない?!」
ミキも私も一人暮らしでお泊まりをよくする。
でも、あまりに突然だと何かあったのかと心配になる。
「嬉しいけど突然どしたの?」
ミキの顔が少し曇った。
と思ったがすぐいつもの笑顔に戻り、
「亜子とお泊まりしたいな〜って思ったんだけどダメかなぁ?」
そんなこと言われたら断れるわけが無い。
「ダメじゃないよ^^むしろお泊まりしたい!」
「やった〜!それじゃあ学校終わったら亜子の家に寄って、それから荷物持って〜」

この時、ミキの顔が曇った理由をしっかり聞いておけば良かった。
私は後悔した。
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