愛しすぎて。
Side 亜由紗 喧嘩


前から歩いてくるのは尚輝。


やっぱり先に行ってたんだ。




わかっていたけど…




胸が痛い―――。


足を動かす事も忘れその場に立ち止まった。



尚輝に何を話せばいいのか



わからない。





「…ずっと待ってたの」

目の前に立つ尚輝が言った。



言葉が出なくてこくんと頷く。



「………バカでしょ。普通暫くして来なかったら行くだろ」




どうして




どうしてそんな言い方するの


メール送って返してくれなかったの尚輝じゃん…。




―――キーンコーン
カーンコーン―――



2限目始まりのチャイムが私たちの沈黙を埋める。





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