若の瞳が桜に染まる
スズカケノキと疑心
仕事が一段落ついてほっと一息。そんな時に自然と頭に浮かぶのは日和のこと。

だが、今日の仕事は休みということで日和はオフィスにも会社にもいない。
ひとり、昨日の夜のとある出来事を思い出した我久は、恥ずかしさでぼっと顔を赤らめた。

…まずい、まずい。

この会えない時間に頭を冷やそうと、パソコンを立ち上げる。


昨夜、我久は縁側で夜風にあたっていた。すると、横にすとんと座った気配を感じ、目を向ける。

「…あ……」

目に飛び込んだ、お風呂上がりの髪の濡れたその姿を見て、声が出てしまった我久。

だいぶ涼しくなってきたからか、キャミソールにパーカー、短パンという薄着。しかも、普段着と比べると露出の多いその格好に目のやり場に困る我久。
< 114 / 306 >

この作品をシェア

pagetop