若の瞳が桜に染まる
コチョウランと秘密
朝、会社に行こうと屋敷の廊下を歩いていると、突如現れた旬と蘭に近くの部屋へ連行された我久。

「うわっ……いった…」

若頭相手だというのに、二人とも容赦なく我久を壁際まで放った。

「結婚ってどういうことですか!?
昨日の組長との話がどう転んだらそんな展開になるんです」

「お前、そもそも結婚って柄じゃねーだろ!何流されてんだ!」

今朝、二人に電話で結婚のことを報告した我久だが、まさかこんなにも早く問い詰められらことになるとは思ってなかった。

喧嘩で相手を殴り飛ばしている時の二人を思い出すほど、凄みのある表情に我久は戸惑った。
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