塩系男子の恋愛事情
あれから半年が経った。

「小笠原くん、これをお願い」

「はい」

あたしの手から小笠原くんは書類を受け取った。

半年前のあの告白は、一体何だったんでしょうか?

夢ような出来事から半年が経ったと言うのに、あたしたちは何も進展をしていません…。

躰どころか、キスも手を繋ぐと言うことすらもしていない…。

自分のデスクへと戻ると、
「はあ…」

あたしは息を吐いた。

斜め前のところにいる小笠原くんのデスクに、チラリと視線を向ける。

髪の毛、少しだけ伸びてるな…。

本当にいい耳の形をしているな…。

あのサラサラの黒い髪に、何度さわりたいと思ったのだろう。

あの絶妙な耳のラインに、どれだけ心臓をときめかせたことだろう。
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