明桜歴代番長四代目 悲しき愛の少年
楯岡 猛
明桜歴代番長四代目になってもうはや3年。

一年の入学式の度に挑戦者は現れるが、勝てるものなどいなかった。

猛は今、明桜紳士をどれだけ大きくするかを考えている。

今でも思い出す、あの気持ち。


皆んなから急に冷やかな目で見られ、親友と思っていたやつも去っていき、あげく大切な兄妹にまで手を出した。

守りたい、けど力がない。権力もない。金もない。

小さな拳を握りしめたあの日から、少年は努力した。

勉強をして、筋力を鍛え、知力をあげ、体力をつけた。

四代目になってからは、普通の探偵などには頼めない依頼を受ける事を明桜紳士の生業とし、料金を請求して家庭に金を入れた。

本来なら猛も15歳の思春期男子。
スポーツもしたければ、ゲームもしたいし、何より恋だってしたい。
というかしていた。

猛は妹や姉ももちろん好きだが、幼なじみの彩に恋心を抱いていた。
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