メルヘン・メンヘラ
雨の中バス停で待つこと約五分。
バスはやってきた。

そこまで込み合っているというわけではなかったけど、空席はほとんどなかった。

学校は遠いし、とりあえず奥の方に進む。

すると、俯いて具合が悪そうな顔をした男子学生がいた。
彼の制服をよく見ると、それはうちの学校の制服だった。

彼は俯いたかと思うと、挙動不審に辺りを見渡したり、そうかと思えば絶望したような表情を浮かべたりと、何とも忙しい人だった。

なんか、怖かったけど、一応、
「あの~。」
と声をかけてみた。

すると彼は俯いたまま、がっかりとしていた。

本当に具合が悪そうだったので、
「具合悪そうですけど、大丈夫ですか?」
と声をかけた。

すると、彼は顔を上げ、驚いたようにまじまじと私の顔を見つめていた。
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