ゆえん

Ⅲ-Ⅳ



明日使うオクラを買ってくるため、私は『You‐en』から歩いて行けるスーパーへ買い出しに行った。

ここに勤め出した頃、感じたことを思い出しながら歩く。


買い物を済ませ『You‐en』の前に戻ってくると、女性が小さな子供の手を引いて、店の入口の前で中の様子を伺っているのが見えた。

不思議に思いながらもその横を通ると、その女性も私の後ろから店内に入ってきた。


カフェコーナーの前で、やはり客を先に通すべきと判断した私は、ドアを開け「いらっしゃいませ」とその女性客と子供が先に店内に入れるように道を開けた。


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