なみだ雨
9



チュンチュン…

鳥のさえずりが聞こえ瞼を開ける。


ぼーっとしてる頭。

見慣れない天井に、はるかは勢いよく身体を起こす。
と、その刹那、襲ってくる激しい頭痛。


「〜〜〜〜〜っ」


声にならない声を上げはるかは再び頭を枕に戻す。


ドアが開いた音がした。

額に腕を乗せながら、はるかは音がした方を見る。


「おはようございます」

航平の声が聞こえて、ここがどこなのか分かる。

「…おはよう」


カーテンを開け放たれ、
朝日とは思えない太陽の光が部屋に届く。


「ごめん、いま何時?」

「あと5分で正午です。はい、水」


グラスを受け取り、大きなため息をつく。


「…ごめん」


< 127 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop