空に願いを…
突然の別れ
「桜、早くしないと遅刻するよ?」
『え?あ、本当だ!やばいっ!ごめん、行ってくるね!』
私は慌てて鞄を持ち
玄関へと急いだ
「気をつけてな」
私を玄関まで見送る彼
『うん、行ってきます』
「行ってらっしゃい」
そう言って、軽く口づけをする
これが私達の日課だ
出雲桜、20歳
社会人1年目の私は
先輩たちより早く会社に行き
掃除を済ませていないといけない
これが暗黙のルールらしく
早く後輩が入ってこないかと
2ヶ月後の春を楽しみにしている
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