Four you ~2+2=4=2×2~

第3話~話題の中心~

手塚姉妹と同室であることが分かったその翌日から、両里高校での授業が始まった。

「起立。礼」

チャイムが鳴って数十秒後、先生がチョークを置くと同時に、日直が号令をかける。そして一連の動作が終了すると、クラスメートの間からため息が漏れた。

「あ~、終わった…」
「マジ眠かった…」

進学校の授業というものは、往々にして体力を消耗するらしい。…そんな中、クラスメートの一人が私に近づいてきた。

「津田さん」
「ん?」

彼女はスマホを右手に持ちながら歩いてきた。校内ならどこでも監視できると思っているのか、両里高校では休み時間はスマホを使うことが許可されている。

「連絡先、交換しない?」
「うん。ええで~」

画面にQRコードを表示し、それをお互いに読み合う。連絡先の交換は、これで以上だ。簡単になった分、少し寂しくて、薄い。そう思ってしまうのは、小説を書いているからであろうか。

「…よし、これで完了やね」
「ありがと~! それにしても小説家と同じクラスで、連絡先まで知ってるなんて…」

もし私が小説家でなかったら、彼女のようにテンションが上がったりするのだろうか?

「ねぇ、私もいい?」
「あたしも~!」

続々と人が集まってくる。それに舞い上がっていた私は、今の私には浅はかにしか見えなかった。

だってこの後…。
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