幸せに・・・なりたい。

**入学


私は、無事に退院した。

あの事件から
 二ヶ月以上経過していた。

病院を出て、
美沙おばちゃんと茜で
お父さん達のお墓に行った。

綺麗なお墓‥‥‥
崇おじさんや美沙おばちゃんに
感謝の気持ちで一杯だった。

「美沙おばちゃん。
茜、本当にありがとうございます。」
と、頭を下げながら
「お父さん、お母さん、
ずっと来れなくてごめんね。
私、崇おじさん、美沙おばちゃん、
茜と西森家に住まわせてもらうね。
頑張って生きて行くから
見ていてね。」
と、言った。


入学までの一週間の大半は
高木先生のとこに来ていた。
先生といると、落ち着けた。

いよいよ、明日は、高校入学。

美沙おばちゃんと崇おじさんも
出席してれた。
高木先生も、顔を出してくれた。

崇おじさんが、
校長先生、教頭先生、
保険医の先生、担任の先生には、
話を通してくれていた。

何かあったら、
美沙おばちゃんか高木先生に
連絡が入るように。

高校は、共学だから男子もいる。
やはり、冷や汗やふるえがでるが
都度、茜がそばにいてくれた。

茜も愛浬亜も可愛くて、
綺麗だから
何処にいても、目立ち
回りに人垣が出来る。

一人の男子が勇気を出して
愛浬亜達に近づこうとした。

愛浬亜は、ジリジリと下がり
茜は、愛浬亜の前に立ちはだかると
「あの‥‥名前教えて下さい。」
と、男子が言ったから

茜が、簡単に二人分を答えた。

茜は、これで、いい?
と、言わんばかりだったが
彼は、立ち去らずに
私に話しかけようとしてきた
私は、カタカタと震え初め
茜は、私の手を握りしめて
「もう、いいですか?」
と、言ったが
「えっと、えっと‥‥‥」
って、彼は言い‥‥

茜は、愛浬亜の緊張が伝わってきた。
「あのっ、あの、水樹さん‥‥」
と、彼が言い出した時に

「愛浬亜ちゃん、大丈夫だよ。
僕も茜ちゃんもいるからね。」
と、高木先生が来てくれた。

私は、ふぅーっと、力が抜けた。
先生は、私を思わず抱き上げた。
「愛浬亜!」
と、呼ぶ、茜の声が遠くに聴こえた。
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