綾は、トイレと愛浬亜の身体拭き以外は
ずっと愛浬亜のそばにいた。

ひと月、ふた月と過ぎるが
綾は、その間も話をしない
愛浬亜に寄り添い
色んな話をした。

茜や美佐、崇も
愛浬亜の部屋に来ては
話しかけていた。

だが、愛浬亜は、
誰の声かけにも
答える事はなかった。

三ヶ月を過ぎた時
綾は、崇に許可をもらい
愛浬亜を両親のお墓に
連れて行った。

綾は、愛浬亜が自殺をはかった
場所に坐り
愛浬亜を膝に横抱きにしながら

「愛浬亜、お父さん、お母さんの
そばにいきたかったんだろ?
でも、お父さん、お母さんは、
愛浬亜が、来るのを
望まなかったんじゃないか

僕は、愛浬亜にどんなに
恨まれてもいい。
愛浬亜には、生きていて欲しかった。
愛浬亜を悲しい思いのまま
いかせたくなかった。

それに、一番は、愛浬亜を
失いたくなかったんだ。
僕のそばにずっといて
欲しかったんだ。

僕はね、愛浬亜を愛してる。
愛浬亜と最初に出合ってから
ずっと、惹かれていたと
思う。
でもね、愛浬亜が
どうしても、この世界で生きて行くことが
苦しいと、言うなら
僕も一緒に行くよ。
どこまでも、いつまでも
愛浬亜と一緒がいいから

愛浬亜は、嫌かな?
僕が、そばにいるのは。」
と、言ってから
愛浬亜をみると

愛浬亜は、
両親の墓をみつめながら
涙を流した。

綾は、愛浬亜の涙を拭きながら
愛浬亜の背中を擦っていた。

日が陰ってきた
綾は、
「愛浬亜、暗くなるから
そろそろ、帰ろうか?」
と、言うと

愛浬亜は、僕の服を
握り首をふった。

あれ以来、はじめての
愛浬亜の反応だった。

そんな些細なことでも
僕は、嬉かったから
「じゃ、もう少しだけね。」
と、言って
愛浬亜の膝掛を広げて
愛浬亜を包みこんだ。

愛浬亜は、涙を流しながら
どのくらい
そうしていたか
僕の腕の中で
いつしか、寝ていた。

風邪を引くのではないか
と、心配しながら
僕は、愛浬亜を
西森の家に
連れて帰った。

愛浬亜をベットに寝かせて
崇と美佐に、今日の話をした。

崇も美佐も
人間らしい、愛浬亜の仕草に
少しだけ、ホッとしていた。

綾は、お風呂に入っている間に
茜ちゃんが、愛浬亜を着替えさせて
くれていた。

すると、愛浬亜が
「‥‥ありが‥‥とう」
と、茜ちゃんにいい。

茜ちゃんは、泣きながら
愛浬亜を抱き締めた。