太陽と月の後継者
4節 謎の少年

「今日は予選を通過した、
12名に争ってもらいますッ!!

それでは登場していただきましょう!

奇跡の美貌と才能を持った謎の美少女!

《クレア・フルーム》っ!!」

ーワァアアア!!!

会場は朝から大盛り上がり、
そして今日も空は晴れ渡っている。

今日行われる試合は、全て同じ第1闘技場で行われるため、会場には入り切らないほどの人が来ていた。

クロエは、
入場しながら、
少し痛む左目を気にしていた。

眼帯をしている左目、碧の瞳は基本髪で眼帯ごと隠している。

刺激は全くないはずだが…と、不思議に思っていた。

「続いて、入学試験に次席で入学した。これまた謎の美少年…

《ルカ・オスロ》っ!!」

ルカは、綺麗な白銀色の髪を風に靡かせながら入場してくる。

そしてクロエの隣に静かに並んだ。

この2人の圧倒的なオーラに会場は息を呑む。

「よろしく」

『よろしくね』

軽く会釈をするふたりは、やはり様になっていて、司会者でさえもホォッと息を零した。

「ハッ!

失礼しました!
続いて六大貴族である大狼族の

《リオ・クラネス》っ!!」

相変わらず可愛らしい容姿のリオは、にこにこと笑顔を振りまきながら入場してくる。

「負けないよー!」





「続いて、またまた六大貴族の朱雀族。

《レイ・ニコラス》っ!!」

レイは少し困り顔で登場した。

「あーぁ、次の試合ルカと当たるなんてついてねーな」

これで1年生の代表は全員入場した。

次は2年生だ。

「いやー、今年の1年生は優秀ですねー。

ではでは、2年生の登場です!
見かけは綺麗な顔だが入学当初、学園を騒がした不良少年。

《ジン・アクロス》っ!!」

アクロス家は有名な貴族だったはずだが、ジンは小さい頃から過度の英才教育を受け、今になっては親に反抗し曲がった性格になってしまったのだ。

最近では、ある者によって落ち着きを取り戻したそう。

すらっとした洗練された容姿に綺麗な黒メッシュの金髪。黒い瞳、耳には小さいイヤリングをつけた美青年だ。

「さー、続きまして。両目全盲の隣国の歌姫とされるあの不良少年の恋人。

《リリィ・ストロ》っ!!」

羊のぬいぐるみの上に
またがって入場してくるのは、
ジンの恋人であるリリィ。

ピンクのふわふわとした髪に、ピンクの瞳の彼女は綺麗というよりも可愛らしい容姿だ。

隣国では、超人気国民的歌手の少女である。

「続いて、ふたりでひとりの双子の姉妹。
見るものを驚かす息の合ったコンビネーションを見せてくれる

《ユノン》《サン》コンビだー!」

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