⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
第10話 余話
その夜___

「眠ったか?」

「ハイ。愛想振り撒きすぎて、疲れちゃったみたい」
「綺麗なお姉さんが沢山いたからな」

「マッタク」

ホテルの用意したベビーベッドの中でスヤスヤと眠っているボウズ。

燈子は、そのピンク色の頬をプイプイとつつきながら、愛しげに寝顔を眺めている。

チャンスだ。

後ろからそっと肩を抱いた。

「…燈子」
熱っぽく耳元に囁くと、彼女はピクッと肩を震わせた。

「秋人サン…」
甘い響き。
こちらを向かせ、思う様に口付けると、浅い息の下で小さく呻く。

 “ダメ”と口では言いながら、俺の身体を引き寄せたのを、オッケーサインと心得た。

ナイトウェアのボタンをもったいぶりながら外し、羞恥を煽りつつ襟元を寛げる。
白い首元に唇を這わすと、ボウズを意識して遠慮がちに鳴いた。

微かに甘い香りが漂う。


「ベッド…行くか?」
「う、うん」

ソワソワと、起こさないようにそっと2人で移動する。

「燈子…」
「秋人サン…」
 
彼女をベッドに組み敷いて、唇の重なる5ミリ前。

 
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