花京院家の愛玩人形


翌日。
予告通り窓は叩かれた。

コンコンっ


「こんにちは」


「いらっしゃいませ、花京院様。
本当においでになったのですわね」


「…
綺麗だ…」


「なんですって?」


「あー… えー…
本、持ってきた。
テーブルに置いても?」


「えぇ、ありがとうございます。
まぁ…こんなに… 重かったでしょう?」


「うん、まぁ。
昨日より梯子が不安定になって、怖かった」


「…
ふふ」


「笑わないで。
さて、と。
小説は後でゆっくり読んでくれていいから、とりあえず今は、コレ」


「あら…
写真集ですの?」


「そう、日本の名所の。
少しは外に出た気分になれるでショ?」


「まぁ!嬉しい!
ありがとうございます、花京院様!」


「…
綺麗だ…」


「なんですって?」

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