悲しみの舞華(まいはな)
出会い



クゥちゃんが死んでから一週間。私は何も手つかずだった。



そして、私はある事を思いついた。



私にとって大切なものがなくなったのだから、生きている意味はない。



私も、死ねばいいんだと。



私がこうなったのは龍道、そして美優のせいだ。だったら、私が死んだのはあいつらのせいだって、思わせてやればいい。



学校の屋上は結構な高さがある。



あそこから飛び降りれば即死だ。



そして、私は次の日、学校に行く事にした。



朝、少し早めに学校へ行くと、それでも人は結構いた。きっと、龍道を近くで見るために、場所取りをしているのだろう。



私に気づいた女子達は、「あいつ、いなくなったと思ってたのに〜」や「うわぁ〜、マジ最悪。死んじゃえばいいのに」など言っている。



でも、彼女達は知らない。



私が今から死にに行くという事を。



屋上に着けば、冷たい風が私を襲った。



まるで、私が死ぬのを止めようとしているかのようだ。



でも、私はもう決めたから。



そう思いながら、フェンスを飛び越え、あみに掴まった。



そして、ゆっくりとあみから手を放す。



今、そっちに行くからね。
クゥちゃん…。



一瞬、一瞬だから。



トスッ



え?
どういうこと?



落ちたはずなのに、きた衝撃は誰かが私を抱えたものだけだった。



「だれ?」



「もう、危なっかしいな〜。」



「は?」



この人って…あの時の公園の?


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