御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
失恋秘書、元カレの今カノと対峙する
同窓会のある金曜日の夜、美月は心機一転、雪成について忙しく働いた。
そしてその合間に、同窓会の会場をどうやって調べたものかと考えていた。
しのぶに聞けば疑われるし、他の同級生に聞けば、変な風に噂が一人歩きしそうだ。
それだけは避けなければならない。
とりあえず、過去何度も同窓会の会場になった、駅から程近いビジテスホテルに電話をしてみる。
出身校と名前を名乗り、参加者として場所と時間を問い合わせてみると、案の定、夜の八時からホテルの中にある居酒屋が滉一の名前で貸し切られていた。
これで同窓会の会場はわかった。
美月はスマホを切り、ふうっと息を吐く。
偽の恋人と一緒に、元彼に会う……。
あまりにも大胆不敵で、家族にも親友のしのぶにも話せない。
本当にうまくいくのかと不安になるが、引き返すわけにはいかないのだ。