さよならからはじまる物語
しあわせ、でした

デート、しませんか






それは、とある平日の平凡な大学生の会話である。




「コンサート?」


「そう!よかったらチケット余ったらしくて貰ったから、
一緒にと思って!」


「でもこのコンサート、即時完売で手に入れるのは
宝くじで当選するより難しいって聞いたことあるのに、
簡単に譲ってもらえたの?」


「おー、簡単やったで!?」


「…はっ。
徹夜で並びに行って整理券貰えたけど、
ネットで抽選外れて知り合い回って必死に手に入れて喜んでた、
のがほんとの話だけどな。」


「そうそう、実はな…ってばらしてんじゃねぇよ深夜!」


「見え見えの嘘をつくお前を見ていられなかった、
というのは建前で、特に意味はない。」


「だったら黙っとけ!」


「……。」


「無視か!」


「もう、喧嘩せんとってよ。」


「お前の分のチケットも癖で貰ったけど、お前には渡しません!」


「悪かった。」


「変わり身早すぎだろ!」


「もー。あ、すいませんジンジャーエールひとつお願いします。」






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