「じゃあ、行って来るね。かおり。」

「行ってらっしゃい。瑠威。」

瑠威とママはお互いを熱くみつめあい、そして、濃厚なキスをする…



見てられない!
っていうか、ここにいる私のことが、もしかしたら二人には見えてないんじゃないかって思ったりする。
娘の前で、そんなことして恥ずかしくないのか~!
と、言いたい気持ちをぐっと堪えて、私はそっと視線を逸らす…



いろんな障害があったけど、ようやくママと瑠威は結婚した。
瑠威はバンドを続けながら、家業である建設業もしっかりやってる。
ママもブティックを続けながら、シュバルツのスタッフとして頑張ってる。
もちろん、二人が結婚したことは今もごく一部の人しか知らない。
ママは瑠威よりずっと年上だし、ファンの子達もまさかそんな二人が夫婦だなんて思うわけもない。



「さて、と……」

瑠威を見送ったら、ママは何事もなかったかのように、居間に戻る。
ママはソファに座って、コーヒーを飲みながらワイドショーをぼーっと見てる。



「望結…今日はお昼からだよね?」

「うん。そうだよ。」

「じゃあ、悪いけどお掃除お願いね!」

「はいはい。」



ママは満足そうに頷いて、柱の時計に目を遣るとその場から立ち上がった。
もうじき、ママも出勤だ。
瑠威は働くようになってから、8時少し前に家を出るようになった。
だから、今までより朝食の時間も早くなったのだけど、でも、二人が結婚してからも相変わらずここで三人で暮らしてるから、そのくらいのことは構わない。

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