クラッカーにはご用心
「好かれたいな思う時は、目見て笑ってや。(笑う時だけ目反らしたら逆に嫌われるさかい、気ぃ付けや。)」
「絶対安静ちゅー言葉の意味、分かっとらんやろ。」



呆れたように言う蜜穿。


病室へ連れ戻された殊犂は、されるがまま大人しくしている。



掴まえたタクシーの中で、涓畤壟達に話したことを説明した。


報告が皆無だったことに掎蹟へ悪態を付くが、治療を提案したので許すことにする。



「さっきのあんたの行動なんちゅーか知っとるか?ノンバーバルコミュニケーションゆうねんで。……あんたは単純で分かりやすいから、いらんちゃいらんけど。」



「…貴様、単純単純と言うが、一体俺のどこが」


「全部。」



「………………。」



即答されてしまい返す言葉が無い。



「……それにしても、何故突然治療を受ける気になった?病院は嫌いだと拒んでただろう。」


「………………。」



「言いたくないなら構わない。ちゃんと治ったならそれでいい。」



今度は蜜穿が閉口してしまい、完治したのだから無理に聞くことではないと考えを改めた。



「別にな、あんたに生きろと言われたから死ななかった訳や無いし、あんたに助けられたから生かされとる訳でも無いで。」



殊犂が無理強いしたとは思って欲しくないらしい。
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