クラッカーにはご用心
「ミラーニューロンちゅーのは、ほんま不思議なもんやわ。」
「隗赫鰍掩っ!!」


「ことりちゃん!なんや、久しぶりやなぁ。」



妃翠に顔を見せ鰍掩の名を叫ぶ殊犂に、涓畤壟は懐かしさを覚える。



「なんや、ことり」


「貴様、飴魏蜜穿をどこへやった?」



「…………は?」



鰍掩の言葉を遮って殊犂が尋ねたのは、蜜穿の所在だった。



「蜜穿のことやったら、こーぞーさんから連絡いっとるやろ。黄縁叡執のとこにいるらしいて、こーぞーさんが調べとるわ。」


「そうではない。寝るまでは、俺の家にいたんだ。だが、起きたらいなかった。携帯番号もそうだが、今回も貴様が……」



「ちょい待ち!蜜穿、ことりちゃんの家にいたんか?」



聞き捨てならない単語に、涓畤壟が待ったをかけた。



「ああ。昨日の警ら中、路上に倒れていて、家が近かったから運んだ。今日は非番だったから、病院に行こうと思っていたんだ。」



蜜穿が自らの意思で出て行ったのをもちろん知らない殊犂は、自分を嫌っている鰍掩がそそのかし出て行かせたと思っているらしい。


昨日の素直な蜜穿を見てしまっては、そう思っても仕方がないと言えば仕方がない。



ただ、的外れな推理極まりないのは確かだ。
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