クラッカーにはご用心
「一件落着めでたしめでたし、で終わらんのかいっ。」
「黄縁叡執の自宅、魅園、それから警視庁と厚労省に要請して、鏨畏建設と廓念会本部にもガサかけました。」



叡執の逮捕から数日。


手術も成功し現在経過観察中の殊犂へ、掎蹟は報告に来ていた。



「黄縁叡執の様子は?」


「なんやかんや喚いてます。けど、証拠も物証もありますさかい検察側も問題ない言うてましたわ。」



「そうか、ならいい。」



あの男が、蜜穿を縛るモノが無くなったのなら。



「けど藹革さんから電話もろた時は、ほんまビックリしました。内容が内容やったですし。」



「……機動隊を連れてきた判断は正しかった。」


「ほんまですか…!」



珍しく誉められたと掎蹟は笑うが、殊犂にとって論点をずらしたかっただけなので珍しくの部分はスルーしておく。




妃翠を出た後、当ても無く探していた殊犂が蜜穿を見つけ出せた訳は。


涓畤壟から連絡を受け、叡執の携帯のGPSをハッキングした柿蒲のおかげ。




トバシ携帯で無く特定も容易に出来たが、殊犂だけでは不安だった為鰍掩達も向かった。



しかし鉢合わせを避けたかったので、銃声で駆け付けた掎蹟や機動隊に気付かれないよう離れたのだ。
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