熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
でもONしたあとで、あたし、なにしてるんだろ…?と思った。

航平くんとメールをするようになってからというもの、学校の勉強はそっちのけで、ヒマさえあれば彼にメールをしていたから、それがクセとゆうか、生活習慣になっていたみたいで、無意識にONしていたんだと思う。


メールの受信トレイには彼からのメールが3通届いていた。2通は昨夜送信されたメール、残りの1通は今朝たぶん学校に行く前に送信されたメールだと思う。

開封しなくても分かっていたけどメールの内容は、なんで全部なかったことにしなくちゃいけないんだ?というものだった。ワケも知らされずに突然あんなメールを送られたんだから当然だけど。

でも、あたしは返信しなかった。

もちろん今すぐ返信したところで、彼が読むのは学校から帰ってきてからだと思うし、それ以前に彼とはもうメールしないつもり。

今後もし彼からどんなにたくさんのメールが届いたとしても全部無視し続けよう。そう思ったとき、遠くでゴロゴロと雷が鳴るのが聞こえた。カーテンを開けてみると、青いはずの空を、一面の灰色の雲が覆い隠していた。きっと夕立ちが降るんだと思う。

実際、そのあとスグ、それこそバケツをひっくり返したような猛烈な雨が降り出した。

今頃みんな学校から帰ってくる頃だ。たぶんみんな傘はもっていないと思うし、今日は学校を休んで正解だったと思った。
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