未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
ー好きーを自覚した瞬間
 あれは、入社一年目の9月。ジューンブライドで忙しさを体験し、一段落ついた頃だった。

 来月、ハロウィーンだからと言う理由で、普段、ワイシャツにズボン、エプロンの制服のショップ店員に、仮装したらどうかと、社員から提案があった。

 それは、雑貨&フラワーショップに勤める奈々子たちも、例外ではなく、9月はじめからハロウィーンまで、仮装するはめにかった。

 当時のチーフとサブのふたりは、"夢を与えなきゃ"とかいいながらどんな仮装にしようかと、ノリノリだった。

 奈々子は、たった一日くらいならと思っていたが、まさかの1ヶ月と聞いて、乗り気にはなれなかった。
 
当時は引き継ぎもあり、規模も、今ほどじゃらなかったため、従業員は3人。

 主に奈々子が店頭にたっていたからだ。そんなため息まじりな奈々子に支給されたのは、ーミニスカデビルーの仮装だったのだ。
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