未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
本音ー奈々子sideー

ー20時30分ー

「まじ、俺のためにありがとうございます!」

 ついてすぐ乾杯し、新司からお礼の言葉が飛びだす。あれから、智也の提案の同期会&歓迎会の話を、ショップに帰ってすると、二人とも喜んで参加表明し、瑞希も快く賛同してくれた。

「期待のルーキーだから!頑張ってね!」

 奈々子が言うと、みんなから拍手を浴びた新司が立て続けにビールを飲み続けた。

「てゆ~か。まじ、あのハゲ、意味わかんない!」

「ごめんね?しおりちゃんまで。でも、確約達成したら、絶対土下座させてやるから!ギャフンと言わせてやる!」

「ま、心配はしてませんよ!奈々子さん。」

「イベントの時は、王子スタイルで行きますから、奈々子さん大丈夫ですよ!」

 しおりと隼にそう言われ、"頼りにしてる。"と、奈々子がビールに口をつけると、瑞希が枝豆を食べながら

「ね、奈々子ちゃん。ちょっと衣装見せてよ?どうせ、こっそり試着するつもりで、持ってるでしょ?」

「瑞希さん、何でわかったんですか?」

「分かるよ~。ロッカーで初めて着るとかありえないじゃんね!早く、早く。」

「上も下もちょー短いっすよ!着たらめちゃめちゃ可愛いと思うんっすけど。でも、彼女には自分前だけで着て欲しい系っす。」

 先に見ていた、新司がまくしたてるように、言う。
 "私ロッカーに起きっぱなし。"悠長なしおりは、新司に可愛い系がタイプなのなんて聞いてからかってる。

 袋を開けた瑞希は、見た瞬間、"松っん絶対キれるよ!?これは、確かに二人きりで着なきゃ。"とすぐに袋にしまう。

 それを、受け取った隼も、机の下に広げると"めちゃめちゃ可愛いけど、これは…。1日限定とかじゃダメなのか?"とか呟きながら、すぐさま畳んで直し、奈々子に返そうとしたところで、すっと智也に奪われる。

 空けて広げた瞬間"はっ!?短いだろ、これ!"と驚いて、それから、口をつぐみ、ちょっと顔が赤くなる。

「あっ。松っん想像したでしょ?」

 やよいに指摘され、そそくさに服を直す姿に、みんな爆笑していた。
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